【日本認知症グループホーム協会】 熊本県支部長から皆様の災害支援に対する御礼

 平成28年5月26日

 

日本認知症グループホーム協会の皆様

熊本地震では、皆様に、大変、ご心配おかけしました。

震災当初からの連日のマスコミ報道で、ご存知のことかと思いますが、今後、風化させないためにも、改めて、熊本地震について、一緒に振り返ってみたいと思います。

熊本地震とは?

平成284142126分、熊本県熊本地方を震央とする、震源の深さ11km、気象庁マグニチュード6.5の地震(前震)が発生し、熊本県益城町で震度7を観測しました。その28時間後の416125分には、同じく熊本県熊本地方を震央とする、震源の深さ12km、マグニチュード7.3の地震(本震)が発生し、熊本県西原町と益城町で震度7を観測しました。さらに16日の本震以降、熊本県熊本地方の北東側に位置する熊本県阿蘇地方から大分県西部にかけて、および大分県中部においても地震が相次ぎ、熊本地方と合わせて3地域で活発な地震活動がみられました。余震の回数は1500回を超えて、死者は49名に上り、住宅の被害が熊本、大分両県で1万棟を超えることが、両県などの調べでわかりました。

 

震災といえば、2011311日、東日本大震災が生じ、その夕方、津波が三陸沿岸に到達する映像、街や畑をのみ込んでいく映像、建物の上で救出を求める人々の映像などを、ニュースなどで何度も繰り返し、涙しながら見ていたこと、そのあと、10日後に熊本を古いディーゼルワゴンで出発し、物資を届けたことを思い出します。私たちは、支援に入りながらも東北の方々に様々なことを学んだように思います。災害当初はどのように利用者と生きたのか?物資は何が必要なのか?スタッフは、自宅の家族と職場の利用者の双方をどう支えたのか?そのジレンマやストレスはどうだったのか?と。

当時、東北から熊本に帰ると桜の花が満開で、自粛ムードと言いながらも、公園で花見をする人たちを「これが同じ日本なのか?」と呆然と眺めたことが記憶に残っています。あれから私たちは備えることができていたかというと、十分ではなかったと今になってしきりと反省しています。

 

現在、熊本地震から1カ月が過ぎましたが、熊本の各地で、東日本大震災の教訓を生かした支援活動が行われています。熊本の震災被害のあったグループホームにも、たくさん支援の花が咲きました。毎夜のように地面が吠えて、竜の背中に乗ったように揺れて、スタッフの自宅は倒壊し、車中や避難所から通う人たち。いつまで続くかわからない余震、誰にぶつけてよいのかわからないストレス。エコノミー症候群になりそうなスタッフ。一泊二日ずつのローテーションで、全町避難でトイレに行く道も人だらけだった夜。泣きじゃくる子供を置いてきたというスタッフ。私たちの気持ちも切れそうになっていたときです。

 

当協会からDCATの皆さんが、震災の爪痕で切れ切れの悪路を車で駆けつけてくれました。その前後から、たくさんの認知症ケアの仲間たちが来てくれて、熊本県の被災地を潤してくれたのです。被災にあったスタッフを支えて、一緒に泣いてくれた方もありました。おかげで、私は、改めて熊本のグループホーム全体の被災状況の確認もできました。今回、皆様の支援で、私たちは、法人や事業所の種別を超えて、みなさんのお気持ちを現地にお届けすることができました。震災当初から物資を集めてくださった皆さん、DCATとして現地に派遣を決めてくださった皆さん、実際に支援に入ってくださった皆さん、本部で、熊本県支部を支えてくださった事務局の皆さん、本当にありがとうございました。聞けば、義援金も集めてくださっていると聞いています。逆に、大変申し訳ないと思います。義援金は、必ず、被災した事業所や被災しても頑張ったスタッフに届け、今後の協会のDCATの活動に還元できるよう考えていきたいと思います

 支援に来られた方や物資はできるだけ写真に収めました。すれ違いで、写真が撮れなかった皆さん、すいません。本当にありがとうございました。心から感謝しています。

 

   平成285月末日

日本認知症グループホーム協会熊本県支部

高橋恵子

被災したグループホームせせらぎ   グループホーム協会DCATの皆さん